新人社員たちの悩みの種

入社時に様々な理想に燃える多くの新入社員が、その後たった数年で実際の業務と自身のイメージとのギャップに悩み、転退職、場合によっては心の病気になってしまうケースは少なくない。

以前から声高に叫ばれている問題でありながら、未だに事態が収束することはない。
それはなぜかというと、経営側と社員側の間にそもそものギャップがあるからである。
新入社員はこの問題のリスクに対して無知な訳ではない。むしろ、彼らはインターネット世代であり、十分な知識を持った上で入社している。

しかし、そこに難点があり、知識のみを手に入れているという風に考えたほうがいいかもしれない。
「知っている」と「できる」はまた別問題であるにも関わらず、「知っている」から「できる」のだと思い、その世界へ飛び込む。そこで「できなかった」場合に、大きなギャップを感じて落ち込む若者は少なくないのだ。

さらにネット社会には、「このくらいできて当たり前」といった色々な声がある。人の声が入りやすくなったからこそ、常識というものさしに振り回されやすい現状があるのも事実だ。
周りの基準に振り回されて、「自分はこんなこともできないのか」と悩む人は大変多い。たくさんの常識がありふれる今の時代には、自分軸を大事にすることが重要だといえる。

仕事に対するギャップは、誰もが経験することだといっても過言ではない。すべての人に最初があるのだ。
最初からなんでもできる人なんていないに等しい。最初のうちはうまくできずに悩み、責めてしまうかもしれないが、なにより大事なのが、そんな時に自分にやさしくすることだといえる。仕事に就いてみて、想像とのギャップに悩んでいる人は大勢いるため、色々と体験談を検索してみるといいだろう。
また、各職業で起こりうる仕事のギャップの実態に触れたサイトを発見したため、ここで一緒に紹介しておく→理想と現実のギャップを埋めるには?

また、その他の人間的要因として、ジェネレーションギャップがある。
新入社員の上司は往往にして40代、50代の中堅社員である。彼らはそれまで培ってきた各々の能力、精神力を基軸に物事を判断するため、壁を乗り越えられない新入社員に対してネガティブな反応を取ることが多い。特にその世代は、根性や我慢が美徳とされた影響を強く受けており、現代の若者世代から嫌煙される傾向がある。

それぞれの時代の価値観の違いを考えず、「これだからゆとり世代は」「最近の若者は」と愚痴をこぼす風潮がある限り、この問題の解決は無いであろう。

若い世代は単に精神的に弱いといわれているが、だからといってそれを叩いてもなんの問題解決にもならない。これから先々の地球を担うのは、若い彼らなのだから、新しいやり方に乗っていかなければ会社経営は続かないだろう。
自分の思うように動かない後輩を叱咤して正そうとするやり方は、完全に時代遅れなのだ。